鵬翔がPK戦で京都橘を下し、宮崎県に初の栄冠をもたらした。全国高校サッカー選手権、島原商、国見、鹿児島実、東福岡に次ぐ、九州5番目の優勝校誕生である。
今大会初めて鵬翔を見たのは、フクアリで行われた立正大淞南との準々決勝だった。
試合開始直後のゴール裏で、一回戦から鵬翔を追いかけていた顔見知りのカメラマンから、「このチームは積極的にロングシュートを打つよ。あとゴールが決まったら、選手は応援団のいるバックスタンドではなく、ベンチに走るから」とレクチャーを受けた。高校選手権の場合、大抵のカメラマンは応援団が位置するバックスタンド側にポジションを取る。喜びの表情を捉えるためだ。
しかし、鵬翔の選手は得点後、いずれもベンチに向かい、サブの選手たちと喜びを分かちあっていた。その光景は現在の日本代表と同様のものだ。直接的にチームを支えているのは、ピッチに出ている選手と、その可能性を持ったベンチの選手たちである。その光景に、チームの結束力の一端を感じた。
この試合では、いずれもセットプレーから優勝候補の淞南相手に3点を奪った。PK戦となった4試合もセットプレーと考えれば、鵬翔は6試合中、佐野日大戦を除く5試合をセットプレーで制したことになる。負ければ終わりのトーナメント戦を熟知した戦い方は指導陣の手腕に負うところも大きいが、そこに向かってチームとして成長してきた選手たちは、頂点に立つのにふさわしかった。。