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六川則夫の紙つぶて

練習はモラスジャパン

六川則夫

モラスフィジカルコーチの指導は躍動感にあふれている



 アギーレジャパンの練習の入り方は、これまでと違っていきなりボール回しから始まる。それも具体的な指導は、ハビエル・アギーレ監督、英国人のスチュアート・ゲリングコーチが行うのではなく、フィジカルコーチのフアン・イリバレン・モラス氏が身振り手振りで、見本を示してから選手全員が動き出す。メニューも大体ワンセット10分前後、徐々に負荷がかかった内容に変化していく。選手に練習の意図を感じさせながら、連動性を高めていくやり方は、オシム監督のときとスタイルが似ている。これで練習を非公開にしなければ、代表がより身近なモノになるのだが…。

 ストレッチはメニューとメニューの間に休憩を兼ねて行われる。その練習中、アギーレ監督、モラスコーチ以外の指導陣はひたすら選手の動きを観察している。手倉森誠コーチも同様である。

 練習で気になったのは、香川真司とハーフナー・マイクの二人。ともに所属チームでまだフィットしていないせいか、代表選手であることの“気”を感じさせない。酒井高徳や細貝萌の天真爛漫さと対照的である。とりわけハーフナーの孤立感はザックジャパン時代と変わらない。練習のときから積極的にチームメートやボールに絡んでいかないと、試合で起用されても選手は彼にボールを出さない。アギーレ監督の目指すサッカーでは、朝食時間に遅刻したとしても“タワー”の役割は重要である。現在歴代の代表のゴール数は1099点、記念すべき1100点目は、本田圭佑でも、岡崎慎司でもなく、“ハイタワー”のヘディングに期待したい。

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