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手倉森ジャパン、若き獅子たちの肖像 vol.9

-遠藤航- 浦和に急速にフィットしたU-23日本代表キャプテン

菊地正典

　遠藤のプレーを見ていると時々、錯覚することがある。この選手は長年、浦和でプレーしていたベテランだろうかと。無論、遠藤はまだ23歳、そして浦和加入1年目、この原稿を書いている時点でチームに合流してからはまだ2か月も経っていない。と記してまた驚いてしまった。2か月の馴染み方ではない。すっかり主力である。ミハイロ・ペトロヴィッチ監督が就任した2012年以降、広島でプレーしていた選手を除いてここまで急速にフィットしたのは今や浦和の絶対的エースである興梠ぐらいのものだ。

　リオ五輪アジア最終予選に出場し、1月のほぼ1か月をU-23代表で過ごしていた遠藤は、チームの始動に遅れること約1か月、鹿児島で行われていた2次キャンプの途中の2月8日に合流した。新加入選手にとって合流が遅れるのは痛手にほかならない。しかし、遠藤はすぐさま戦術にフィット。湘南でミハイロ・ペトロヴィッチ監督の戦術を参考にしているという曺貴裁監督の下でプレーしていていたとはいえ、異常に早いスピードだった。合流5日目の長崎との練習試合では何の違和感もなくプレーし、「練習はタッチ制限があるのでちょっと難しさやポジショニングで悩んでいたところはあるけど、練習試合はどっちかっていうと自由にできるので、そっちの方がやりやすいかなって自分でもイメージはしていたし、その通りになった」と言ってのけた。...